トピックス(2019年分)(各写真はクリックで別ウインドウに拡大表示されます)
横須賀市民大学で講義を行いました
「歴史遺産を歩く」と題して歴史的集落や町並み、近代化遺産他に関してお話をしています。2019年度で5年目を数えます。場所は、横須賀市生涯学習センターまなび館。内容を紹介いたします。
なお、2020年度も10回講義を行う予定です。
【令和元(2019)年度】歴史遺産を歩く5 歴史を生かしたまちづくりと観光
1.5月28日(火)小樽の町並みと近代化遺産
商都として繁栄した小樽の商家群、近代建築、運河等の魅力を紹介します。北のウォール街と呼ばれた小樽の実力を実感いたしましょう。
2.6月4日(火)会津若松七日町と喜多方の町並み(福島県)
お隣同士の町は、ライバル?。会津の2大都市の歴史的環境を訪ねます。七日町は会津若市随一の商業地また喜多方市は蔵の町。全国に名を馳せる町の魅力とは?
3.6月18日(火)北国街道・出雲崎の町並み(新潟県出雲崎町)
佐渡金山からの金、銀を江戸に運ぶ中継点や北前船の寄港地として繁栄した出雲崎の町。日本海の海岸段丘の裾にへばりつく町並みは約3.6㎞と長い。間口の狭い切り妻造りの町家がリズミカルに並び壮観です。
4.7月2日(火)木曽街道・平沢と奈良井の町並み(国重要伝統的建造物群保存地区・長野県塩尻市)
木曽街道の中で重要伝統的建造物群保存地区が背中合わせで並ぶのが塩尻市。平沢は木曽漆器の町、奈良井は木曽街道最大の宿場町です。それぞれ違った性格の町のダイナミズムに触れます。
5.7月16日(火)佐倉の城下町(千葉県佐倉市)
佐倉の城下町は、豊かな斜面緑地に包まれた小高い丘の上に展開しています。丘の下からでは中々町があることを伺い知ることはできません。しかし、坂道を上がるとそこは確かに城下町。城址、武家屋敷、町家筋がかつての面影を色濃く残しています。東京から一番近い城下町なのです。
6.7月30日(火)なまこ壁の町・伊豆下田と松崎(静岡県)
強い海風や台風に備えて発達した蔵造り民家が良く残っているのが下田市と松崎町です。伊豆の長八で知られる鏝絵の達人の流れをくむ左官職人の技の結晶とも言える「なまこ壁」の魅力に迫ります。
7.8月6日(火)大都会の町並み保存地区・四間道(名古屋市)
町並み保存を市独自の仕組みで進める名古屋市。中でも四間道は名古屋城造営の要だった堀川沿いにある商業地です。堀川の舟運を用いた交易の拠点でもありました。大店の商家、白壁土蔵群が高層マンション群に囲まれて息づいています。
8.9月3日(火)近江八幡の町並み(国重要伝統的建造物群保存地区・滋賀県近江八幡市)
豊臣秀吉の甥の秀次が納めた城下町は、近世には近江商人(八幡商人)が活躍する商業都市に発展。町中には豪壮な近江商人の邸宅が並び、蚊帳、畳表他の商品を扱いました。その運搬に使用されたのが琵琶湖に続く八幡堀です。土蔵と石積みが並ぶ見事な水景を今に伝えています。
9.9月17日(火)湯浅の町並み(国重要伝統的建造物群保存地区・和歌山県湯浅町)
「最初の一滴」、醤油発祥の地として日本遺産にも認定された湯浅は醸造の町。熊野古道の宿場町や紀州の港町としても発展しました。唐時代に湯浅に伝わった「なめ味噌」から偶然生まれた醤油は、黒潮に乗って銚子に渡り、江戸に広まり一躍人気になりました。
10.10月1日(火)杵築の町並み(国重要伝統的建造物群保存地区・大分県杵築市)
2段構造、Vの字の町として知られている杵築は、町家筋を挟んで2つの台地上に武家屋敷町が築かれた珍しい城下町です。近年、歴史観光に力を入れ、特に外国人観光客に人気です。門、土塀に囲まれた武家屋敷の続く景観は迫力満点です。
(見学会レクチャー)「ヨコハマの歴史を生かしたまちづくり」について
11.10月8日(火)【見学会】ヨコハマの歴史を生かしたまちづくり実感トレイル
ドックヤードガーデンー汽車道ー赤レンガー象の鼻パークー鉄軌道遺産ー日本大通りー開港記念会館ー馬車道の街並み景観ー県立博物館前で解散
以前の講義内容一覧(PDF)
日本鉄道保存協会 2019年度総会・見学会のご案内
今年度の総会・交流会は、長浜市で行います。長浜市は明治15年建築の現存する最古の旧長浜駅舎を保存し観光資源として活用しています。また隣接する敦賀市、南越前町と観光連絡協議会を設けて、旧北陸本線トンネル群(国登録有形文化財)を保存活用するネットワークを構築しています。
3市町村が連携して近代化遺産である鉄道遺産を活用しているのは、全国でも珍しい事例です。旧北陸線でつながる3エリアをめぐってみましょう。
ご宿泊につきましては、総会開催ホテルの北ビワコホテルグラツィエ(シングル・ツイン)をご用意しております。
風光明媚な琵琶湖畔のホテルでの総会、湖北から北陸への鉄道遺産でつながる見学会を皆さまとご一緒できることを楽しみしております。多くの方のご参加をお待ちいたしております。
問合せ 〒231-0012 横浜市中区相生町3丁目61番地 泰生ビル405
公益社団法人 横浜歴史資産調査会内 日本鉄道保存協会
TEL&FAX 045-651-1730
rpsj.tetsudo.hozon@gmail.com
事務局担当:米山淳一 河合桃子
※お問い合わせは、電話・FAXかメールでお願いいたします。
再び川越で「横浜の歴史を生かしたまちづくり」を講演
今年の3月に藤井美登里さん(NPO法人 川越きもの散歩)のご紹介で、川越と横浜の絹文化繋がりの講演会を行いましたが、今度はゆっくりとお話してください、とのありがたいリクエストがあり、6月2日(日)に「一般社団法人 川越織物市場の会」の総会終了後の記念講演でお話させていただきました。
同会は重要文化財指定の織物市場の復元、保存、活用を推進するための市民団体。会長は小島延夫さん(弁護士)。当日は、会員や市民の皆様が参加。ゆっくりと思いっきりお話いたしました。
会場は小島会長のご自宅である、かつて米問屋だった明治期の町家。歴史的空間での講演は快感でした。
世界文化遺産記念イベントに参加
5月25~26に行われた「長崎天草の潜伏キリシタン遺産」世界文化遺産登録一周年記念で開催された「イナッショ祭り」の講演会・シンポジウム・見学会を報告します。
この世界文化遺産登録でご尽力された柿森和年さんの肝いりで開催し、全国各地から約100名の参加があり盛況でした。
シンポジウムのパネラーとして登壇も致し、発言の場で構成遺産の保存活用や、イベント等を仕切る組織を一般社団法人化することを提案しました。また、見学会では、美しい五島列島の教会群等を巡りました。
最後に参加者全員が奈留島に上陸。港付近の敷地での世界文化遺産登録の記念碑の序幕式参加である。柿森さんはじめ名士が集い、厳かに式典が行われた。記念碑の作者は、篆刻家の古田悠々子さんである。記念碑には「この島から世界遺産始まる」と彫られている。
国際茅葺会議シンポジウムでコーディネーターを担当
世界茅葺協会に加盟する日本茅葺文化協会は、白川村と力を合わせて世界茅葺フォーラムを2019年5月18日に別紙プログラムのとおり開催した。
当日は同協会安藤代表理事と成原白川村長の挨拶のあとに、英国、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、オランダ、南アフリカや国内から200名の参加者があり、茅葺文化の保存活用に関して話し合いが行われた。茅葺屋根の維持、技術の伝承、茅葺民家の再生、保存活用、防災ほか内容は広範囲に及んだ。
国の事情や文化によって取り組みや対策は様々である。共通していることは、どこの国も茅葺文化を愛し、育て、ほこり、未来永劫に伝えたいと言うことだ。マイスターであるかやぶき職人の思いは万国共通である。
我が国は、文化財指定等以外での茅葺建築は中々難しい。茅葺建築が仕事として成り立ち、これに住まうことがステイタスと主張する参加国とは、価値観も文化レベルも違うのである。
それでも世界の宝として守り育てようと今回のフォーラムで手を取り合って笑顔になった。
さいたま絹文化フォーラム in 川越 vol.4
「絹でつながる川越と横浜〜時の鐘と横浜生糸商人」
日 時 2019年3月9日(土)13:00〜16:00(10:00〜11:00 時の鐘見学)
場 所 氷川会館(川越市宮下町2−11)
主 催 さいたま絹文化研究会
協 力 (一社)高麗1300 NPO川越きもの散歩
後 援 埼玉県・川越市
定 員 先着100名(事前申込制。定員になり次第締め切りとなります)
参加費 一般500円 さいたま絹文化研究会会員無料
基調講演
「『時の鐘』
に名を刻んだ横浜商人〜原・茂木・平沼」平野正裕(横浜市史資料室)
講演 (1)
「川越出身の横浜茂木商店支配人・安斎羊造について」折井貴恵(川越市立美術館)
講演 (2)
「横浜の絹遺産〜横浜の歴史を生かしたまちづくり」
米山淳一(公益社団法人 横浜歴史資産調査会)
当日は100名を超える市民の皆さんがが参加され、有意義な会となりました。
東京交通短大で今年も特別教養講座を行いました
「鉄道遺産を生かしたまちづくりと地域活性化」2019年1月19日(土)13時10分〜14時40分
今でこそ歴史的鉄道車両や施設、構造物等は鉄道遺産として位置付けられ近代化遺産のひとつとして国重要文化財、国登録有形文化財になり保存・活用されている。+
しかし、鉄道を文化財の視点から見直し、鉄道文化財として全国調査したのは、公益財団法人日本ナショナルトラスト(財団法人観光資源保護財団)で昭和60年のことだった。当時は、鉄道が文化財などとはだれも思わず、趣味の世界でしかなかった。40年以上を経過してやっと日の目を見たのである。
全国を見渡せば蒸気機関車が復活。一号機関車、碓氷鉄道施設、東京駅、門司港、大社駅舎は国重要文化財。
登録文化財は、東武鬼怒川線の砥川橋梁など全国に多くの事例を数える。しかも、これらが歴史を生かしたまちづくりや観光資源としても活用され、地域活性化に寄与しているのである。
今講座では、全国や英国の事例を多く紹介し、近代化遺産としての鉄道遺産の将来にわたる保存活用お方向性を探ることを目的とした。