トピックス(2012年分)(各写真はクリックで別ウインドウに拡大表示されます)
「小樽・空知・室蘭・近代3都物語」の関連イベントが7月~11月にかけて各地で開催されています。この一環で北海道の鉄道発祥地・小樽で講演会とシンポジウムが開催されました。
日 時 11月25日(日)14時~17時
場 所 ホテルノルド小樽
講 演 「鉄道歴史遺産の保存と活用」米山淳一
主 催 幌内鉄道開通130周年記念実行委員会
当日は、約60名が参加。米山の「鉄道遺産を活かしたまちづくりと観光」と題した講演の後、シンポジウムが引き続き行われました。停滞気味の小樽経済活性化の一助として手宮鉄道施設の再生、手宮線での歴史的車両動態保存・運転など明日の小樽に向けた発表や提案がなされました。会を主催したNPO北海道鉄道文化保存会では今後も定期的にこのような会を開催して小樽の鉄道遺産の保全を市民、行政に広く呼び掛けてゆくそうです。
講演する米山 |
酒蔵景観保全、講演会とシンポジウム
2011~12年、東広島市西条町に息づく酒蔵群の保存・活用を目指した調査を東映株式会社を中心に広島大学。広島県立大学、兵庫県立大学が加わり実施しています。これらの成果の報告と将来に亘る貴重な酒蔵群の保存・活用を目的に講演会・シンポジウムを開催いたしました。
日 時 11月28日(水)18時30分~20時30分
場 所 東広島市市民文化センター3階 アザレアホール
調査報告 上村信行(広島大学)
講 演 黒石のこみせ保存とまちづくり 岡崎正憲(こみせ保存会事務局長)
講 演 蔵の街・喜多方のまちづくり 佐藤弥右衛門(大和川酒造代表)
シンポジウム
岡崎正憲、佐藤弥右衛門、金田 晉(広島大学名誉教授)、前垣壽男(西条酒造組合理事長)
コーディネーター 米山淳一
主 催 東広島市都市計画課
当日は200名を超える市民のみなさんが参加。国の重要伝統的建造物群保存地区である黒石市「こみせ保存会」事務局長岡崎さんからは重伝建への苦難の道のりを披露されました。また、喜多方の佐藤さんは酒造りを通じて町の歴史を大切にする活動を紹介しました。お二人とも西条の酒蔵群を絶賛。保存を力説されました。
シンポジウムでは、地元の酒造組合長前垣さん、まちづくりを推進する金田さんも加わり将来にわたる酒蔵群を活かしたまちづくりの必要性が話し合われました。特に前垣さんは今が保存地区に向けた最後のチャンスと広く訴え、参加者から拍手が湧きました。
今後、2月27日には第2回のまちづくりシンポジウムを開催予定です。
町並み調査も引き続き行われいよいよ保存に向けた動きが本格化いたします。
「更級の商都・稲荷山の町並み」講演会
千曲市では稲荷山地区の国重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指して保存対策調査を実施しています。地域の皆様に広くご支援、ご協力をいただくことを目的に講演かいを開催いたします。
日 時 1回目 11月18日(日)18時30分〜
2回目 12月19日(日)18時30分〜
場 所 稲荷山公民館
講 演 「歴史を活かしたまちづくり」米山淳一
主 催 千曲市教育委員会
2回に亘る講演会では、稲荷山地区を中心に地元のまちづくり団体をはじめ自衛消防団、青年会、婦人会、子供育成会ほか町内組織のみんさに 国の重要伝統的肝臓物群の保存地区への合意形成を目的に全国の重伝建地区の事例や歴史を生かしたまちづくりの先進地区を紹介、また市民、行政、専門家の役割等に関してもお話しいたしました。
参加者は毎回100名を越え、町並み保存地区への関心の高さを実感しました。結果としては合意形成に向けて確実に動き始めました。
秋田県市町村未来づくり協働プログラム」小坂町プロジェクトのアドバイザーに就任
小坂鉱山関連の近代化遺産を保存活用していることで知られる小坂町(秋田県)には小坂鉄道が大館~小坂まで敷設され鉱山関連輸送に活躍していましたが、最後まで残っていた硫酸を主体とした貨物輸送も2008年に廃止されました。近年、地域の生活文化経済に寄与した鉄道を保存・活用して地域活性化を目指す動きが活発になってきました。ちょうど秋田県が表記の特別プロジェクトを設けたのを機会に小坂町は小坂鉄道をテーマーとして県と力をあわせて事業を推進することになったのです。以前、トラスト時代に全国近代化遺産保存活用協議会の事務局長を務めていた時の縁で亀沢 修さん(小坂町産業観光課観光商工班、にぎわい創出班)の推薦でアドバイザーに就任、10月24日(水)~25日(木)に小坂鉄道を視察するとともに秋田県や小坂町関係部局担当者らと今将来の方向性等について話し合いました。
若桜鉄道沿線活性化講演会とシンポジウム
日 時 10月20日(土)13時40分~16時
場 所 八東体育文化センター
講 演 「鉄道とまちづくり」
若桜鉄道は若桜町、八頭町の生活に欠かせない鉄道です。地域の皆様の支えがあってこそ将来に亘る存続や活性化の可能性が生まれます。若桜鉄道沿線活性化協議会が中心になって八頭町で初めて開催されました。
当日は、沿線の皆様が多数参加されました。「鉄道とまちづくり」と題して米山が講演のほか若桜鉄道社長、鳥取県文化財担当、隼駅を守る会代表、県会議員らが登壇され明日の若桜鉄道を考えるシンポジウムもおこなわれました。会場からは、車両の塗装変更や旧国鉄気動車の導入、みんなに愛される若鉄などさまざまな意見がよせられました。
「新津鉄道まつり」で講演
日 時 10月13日(土)13時~14時
場 所 JR新津駅東口広場
講 演 「鉄道遺産を活かしたまちづくり」
昨年の朱鷺メッセで開催した「新潟大鉄道博」でお世話になった籠島章人さん(新潟日報社)のご尽力で10月13日(土)に講演を行いました。
駅前の会場には多くの市民のみなさんがおいでになり鉄道祭りは賑わいました。講演後、新津の商店街を籠島さんのご案内で歩きました。お祭りに合わせて商店街では「鉄道商店街」なるイベントを開催。30近い店舗の店先に鉄道考古品や関連資料を展示してまさに商店街は鉄道一色でした。各店舗はスタンプラリーの会場になっており5店舗でスタンプを押してもらうと「SL磐越物語の特製缶バッジ」がもらえるしかけになっているので、店に訪れる人は多い。
最初にお伺いしたのは中澤時計屋さん。国鉄時代は、新津機関区の乗務員の鉄道時計のや駅の時計の修理を専門に請け負っていた老舗です。急行電車の方向板やヘッドマークが展示されていた。薬屋では貨車の標識灯、写真屋では羽越線や磐越西線のSL写真や特急「とき」ほかの特急券(硬券)を展示。きわめつきは呉服屋。店一杯に若旦那のコレクションが一堂に展示され自ら解説までしてくれた。全国から訪れるそうだ。ホスピタリティー溢れる「鉄道商店街」に感動した一日でした。ひな人形の展示はけっこうあるが鉄道関係品の展示は新津だけ。まさに先進事例である。
その後、地元商工会議所や新潟市、JRの皆さんらとの交流会に参加。鉄道の街「新津」の復権を目指す話で盛り上がりました。
10月5日 神奈川新聞文化欄に米山へのインタビュー記事が掲載されましたので紹介いたします
2012年度前期に続き後期も獨協大学オープンカレッジで「歴史遺産を旅する・鉄道と町並みの魅力が満載」と題して5回連続の講義を行います
1.10月27日(土)「SLと町並みが町を再生・若桜」
地場産業の林業の衰退とともに町が寂れ衰退して行く中、起死回生の秘策は第三セクター「若桜鉄道」の活性化、SLの汽笛が歴史の町に息吹を与える。
2.11月17日(土)「合言葉はレトロ、そして歴史地区は甦った」
旧国鉄の門司港駅舎の国重要文化財指定がきっかけで始まった「門司港レトロ事業」繁栄の証である歴史的建造物は、まさに観光まちづくりの要。
3.12月1日(土)「重伝建の町、筑後吉井、天領日田散歩」
田園風景や渓谷など変化に富んだ久大本線の車窓を楽しみながら二つの重要伝統的建造物群保存地区を訪ねる旅。
4.12月8日(土)「薩摩藩の要害、武家屋敷が息づく麓集落」
英国とも戦争した薩摩藩を徳川幕府は常に脅威に感じていた。一糸乱れぬ臨戦態勢の現場を「麓集落」の生活文化から読み取る。
5.12月15日(土)「ダイナミックな横浜の歴史を活かしたまちづくり」
開港150年を迎えた横浜は歴史を活かしたまちづくりを戦略的に行い、赤レンガ倉庫、山手洋館群他、多くの歴史的建造物を保存・活用している。この魅力を紹介する。
写真集「光り輝く特急「とき」の時代」発行による二つの話題
2011年〜12年度にわたり稲荷山地区に残る土蔵造りを中心とした歴史的建造物群の保存をめざして調査が行われました。その結果、地区住民の皆さんとの合意形成をもとに千曲市では、重伝統的建造物群保存地区に向けて説明会をおこないます。市民の皆さんの関心が高まっており、より深く町並み保存の意味や現状、歴史的町並みを活かしたまちづくりなどに関してお話しすることになりました。
*制度に関しては千曲市文化財センターが担当して解説いたします。
演 題 「重要伝統的建造物群を活かしたまちづくり」
日 時 1回目 9月25日(水)午後7時30分〜9時
2回目 10月 1日(火)午後7時30分〜9時
3回目 10月17日(月)午後7時30分〜9時
場 所 稲荷山公民館 2階講堂
主 催 千曲市教育委員会
「新幹線原点の街が元気です」
1964年10月1日に開業した東海道新幹線は2014年10月で満50年を迎えます。
平成27年3月には函館、金沢に延伸し新幹線網はさらに充実いたします。
新幹線の開発は、それまで経験したことのない技術が伴いました。その実験が在来線で行われたのです。大容量の電気を使用するための交流電源の採用、そのための車両の開発、さらに電車方式を貫くために151系電車を使用しての高速度試験等、国鉄技術陣は常に前進あるのみの技術開発に心血をそそいだのです。
その努力の結晶が新幹線計画を短期間の内に実現したのです。今や世界に誇る新幹線システム、車両だけではなく軌道、信号ほか数えきれない技術はシステムと呼ばれる所以です。世界文化遺産の主導するユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」の委員の間では、東海道新幹線を世界文化遺産に登録したいという声が持ち上がっているとこの会議に関係している知人からご教示いただいた。
まさに世界の最先端を行く新幹線システム。その原点の街は地域活性化の核に歴史的快挙を活かす方策に燃えている。それぞれシンポジュームや講演会を過日開催し支援のために参加した。
1.「新幹線は仙山線から始まった」仙山線シンポジウム
日 時 2012年7月7日
場 所 東北福祉大学
講 演 松野匡雄(元作並機関区交流電化試験班技術助役)
パネラー 米山淳一、村山雅志(JR東日本仙台支社工事課長)、後藤光亀(東北大准教授)
コーディネーター 佐藤 茂(みちのく鉄道応援団代表幹事)
仙山線(仙台ー作並間・仙台市作並)我が国初の交流電化の地。交流電気機関車による営業運転を開始。1957年9月にスタート。
*作並温泉とも連携して旧作並機関区に交流電化記念館を設置。交流電気機関車の展示や交流の歴史を紹介。観光資源として地域活計化を目指したい。
当面の活動は旧作並機関区内の転車台ほ保全をボランティア活動で行いたい。
2.新幹線原点のまち、藤枝」
日 時 2012年7月28日(土)
場 所 藤枝市立駅南図書館
記録映画上映「高速度試験」
講 演 米山淳一「鉄道を活かしたまちづくり」
*当日は市民を中心に元国鉄職員らが参加。151系高速度試験の当時の様子をご存知のかたも参加され話題が豊富であった。
*主催者は山内さん。ナショナルトラスト時代からトラストトレインで汗を流した仲間。
東海道本線藤枝での151系による高速度試験が成功しなかったら電車方式での新幹線実現できなかった。この地を広く顕彰し藤枝らしいまちづくりに活かす活動が始まっている。
鉄道開通140周年記念「ヨコハマ大鉄道博」
2007夏の江戸東京博での鉄道展を皮切りに全国各地で鉄道展を企画プロデュース・コーディネートをおこなってきましたが、2012年は山口県立博物館と横浜ランドマークホールの2箇所で開催いたします。
開催期間 8月10日(金)~8月26日(日)
場 所 ランドマークプラザ5F ランドマークホール
主 催 TVK・東映
監 修 小池 滋 青木栄一
企画コーディネート 米山淳一
サライ8月号にインタビュー記事掲載
サライ8月号の特別企画「元気に走る保存鉄道の旅」のコーナーで「イギリスが発祥の保存鉄道とは何か」と題してインタビュー記事が掲載されました。
写真集「光り輝く特急「とき」の時代」特急とき運転50周年記念を発行
1972(昭和47)年~1982(昭和57)年までの10年間に撮影した特急「とき」181系、183系、特急「はくたか」「いなほ」485系、急行「佐渡」「よねやま」「ゆけむり」165系、115、70系、EF16×️EF15重連貨物、EF58急行「石打スキー」他の雄姿が駆け巡ります。
写真集特急「とき」、写真集「上越線・四季を駆ける仲間たち」に続く第3弾。愛蔵版です。
A4版横開き カラー48P、モノクロ64P
テーマ カラーP 華麗なる「とき」の舞、四季を駆けるすばらしき仲間
モノクロP 都をあとに、峠越え、雪国物語、田園の彼方
星 晃×米山淳一 特急「とき」運転50周年を記念して
撮影データ
エッセー 特急「とき」とすばらしき世界
定価 3,150円(税込)
文字の大きな時刻表8月号 プライド・オブ・プレイス 輝く地域遺産
「輝く地域遺産」を文字の大きな時刻表に連載中です。6月号「蔵のまち栃木」、7月号「東海道関宿」に続き、8月号は酒都「西条」(広島県東広島市)です。東映のプロジェクトで西条の酒蔵再生に関わり町の魅力にぞっこんです。将来の重要伝統的建造物群保存地区をめざし調査や啓発活動を推進しています。地域で中心的に活動されている前垣壽男さんの談話が冴えます。
山口県立博物館開館100周年記念「大鉄道展」~鉄道の発達の歴史、明治から現在、そして未来へ~
2007年夏の江戸東京博での鉄道展を皮切りに全国各地で鉄道展を企画プロデュース・コーディネートをおこなってきましたが2012年は山口県立博物館と横浜ランドマークホールの2箇所で開催いたします。
開催期間 7月13日(金)~8月26日(日)
場 所 山口県立山口博物館 3階展示会場
内 容 鉄道のあゆみ、暮らしと鉄道、新幹線スピードブレーカー列伝ほか
主 催 山口県、山口県教育委員会ほか
文字の大きな時刻表(交通新聞社)にプライド・オブ・プレイス 輝く地域遺産を連載開始
2012年5月号(4月20日発売)の「文字の大きな時刻表」(交通新聞社発行 960円)のグラビアにプライド・オブ・プレイス「輝く地域遺産」の連載を開始しました。歴史を活かしたまちづくりを推進している町を毎月一か所、紹介いたします。第一回は「美しき出水の武家屋敷」です。ぜひ、ご覧ください。
6月号は、「巴波川舟運で栄えた栃木の町」です。
BSジャパン「百年の町なみ」の企画・制作に協力
2012年4月6日(金)午後10時~10時30分 1年間 52週放送
第1回 4月 6日(金)醤油発祥の町 湯浅の町並み(和歌山県湯浅町)
第2回 4月13日(金)舟屋のある暮らし 伊根の漁村集落(京都府与謝野町)
第3回 4月20日(金)世界文化遺産 石見銀山と温泉津町並み(島根県大田市)
第4回 4月27日(金)長崎東山手・南山手の洋館群(長崎市)
BSジャパンで毎週金曜日午後10時から10時30分まで「百年の町なみ」の放送がはじまりました。この企画の立ち上げ、制作に協力いたしました。きっかけは、「歩きたい歴史の町並」(JTBパブリッシング)、「歴史鉄道酔余の町並み」(駒草出版)の出版です。この後、国の重要伝統的建造物群保存地区を活性化させたいという一念で東映株式会社の相原 晃さん、山本健治さんと意気投合、マスコミ界に人脈のある同氏らの発案でこの番組が始まることになったのです。
地域に息づく歴史的町並みと集落景観だけではなく、これらを支える地域のみなさんにもスポットをあてた温かみのある番組です。ぜひご覧ください。
「酒蔵通り活性化調査報告会」で講演
日 時 3月23日(金)18時30分~20時30分
場 所 東広島市 生涯学習センター小ホール
内 容
第一部 報告「酒蔵通りの歴史的建造物群調査」上村信行(広島大学)
講演「地域活性化の切り札は地域遺産の保存・活用」米山淳一(地域遺産プロデューサー)
第二部 報告「酒蔵通りの賑わいづくり」土田裕一(東映プロデューサー)、山本健治(東映ヘッドプロデューサー)
2011年度、東広島市から東映(株)が「酒蔵通りの活性化」調査事業を受託し、チームの一員として参加しました。米山の担当は、酒蔵通りの歴史的建造物の保存・活用です。JNT在籍当時に初めて「酒蔵通りを調査対象として調査事業に関わり、2回目は文化庁主任調査官と講演に伺い、今回が3回目の東広島市西条との関わりで、縁を感じています。気持ちは酒蔵群を国の重要伝統的建造物群に選定し東広島市の核として位置づけ保存・活用し地域活性化に切り札とすることにあります。
宇高雄志先生(兵庫県立大学)、上村信行先生(広島大学)、吉田倫子先生(広島県立大学)が調査を行いました。結果を受けて東広島市は、文化庁建造物担当に挨拶に伺っています。2012年は歴史的建造物詳細調査を行い市民の皆様と力を合わせて保存を目指したいと考えています。
一方、東映(株)では酒蔵群を会場に映画祭やイベントの開催他、アクティブな活動を提言し2012年度も展開いたします。東広島市は郊外の農村景観、漁村景観も優れています。宝物を活かして東広島らしいまちづくりを推進しる文化観光都市が将来の姿?かもしれません。期待してます。
なお、当日は100名を超える市民が集まり熱心に意見交換なども行いました。
「ふれあい」No.25(株式会社クボタ)の広報誌に「美しい歴史的風土百選」特集に地域遺産プロデューサーとして紹介されました
ー被災した文化財をみんなで救いましょうー
東日本大震災から一周年を迎えるにあたり、地域の文化財を救いたい一心で現地や関係のみなさんとお会いして対策を検討してまいりましたが、中々前に進めることができずお恥かしい限りです。微力ではございますが一層の努力を積み有効な手立てを今後も考え、推進して参りますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
◎気仙沼市網元屋敷「尾形家」再生プロジェクトの推進 募金開始
大規模な茅葺民家である「尾形家」は、津波で流され倒壊しました。かろうじて茅葺屋根がその姿をとどめていましたが、部材も散逸。北上町で茅葺屋根師を営む熊谷秋雄さんや工学院大学教授の後藤 治さんの呼びかけで学生らのボランテイアが集い、部材の回収や茅葺屋根の解体を行いしました。現在、復元を目指して募金活動を展開しております。米山が事務局長となり担当の田揚女史とともに呼びかけを行っています。
どうぞ、よろしくお願い申しあげます。
募金宛先 「尾形家修復保存会」
ゆうちょ銀行 口座番号 75653781
募金目標 3,000万円
旧北上町の尾ノ崎地区隣接する雄勝町で産出された天然スレートを使用し葺き上げた民家集落として知られていました。北上川の遡上した津波によって集落は壊滅。しかし、天然スレートを用いた伝統的民家は奇跡的に残りました。気仙大工が手掛けただけあって堅牢で緻密な細工の民家はまさに宝ものです。
このたび、石巻の文化や自然の保全を目指す「株式会社ジャパンヘリテイジ」が設立されたのを機に保全活動に関わって参ります。
あわせて、雄勝町のスレート工場の再建に寄せる新たな市民参加のキャンペーンを企画中です。 ◎その他の被災地状況
1.吾妻家住宅(国重要文化財・福島県)
国による文化財修理を行う予定
2.桜の聖母学園修道院(福島市)
外国人建築家スワガーと関工務店(横浜市)のコラボで建設された修道会の貴重な洋風建築。
社団法人日本建築学会、一般社団法人横浜歴史資産調査会としても保存を訴えたが昨年暮れに修道会が自ら解体した。
3.村田の町並み(宮城県)
紅花の生産で富を築いた村田の町屋は、豪壮な土蔵造りが並ぶ。
多くの伝統的民家が被災して修復の目途は立っていない。
4.亘理の町並み(宮城県)
陸前浜街道の歴史的町並み。多くの土蔵造りが被災。登録有形文化財の永田家住宅は所有者の負担で復元工事を行った。
講演「第1回 神奈川県ヘリテージマネージャー大会」
日 時 3月11日(日)13時開会
場 所 横浜ワールドポーターズ 6階 イベントホールB
講 演「歴史を活かしたまちづくり」米山淳一(地域遺産プロデューサー、一般社団法人横浜歴史資産調査会常務理事・事務局長)
開催テーマ
『立ち上がれ ヘリテージマネージャー』~まちの歴史を伝える歴史的建造物を応援し、まちを元気に~
開催趣旨
神奈川県建築士会では、スクランブル調査隊による調査活動や邸園(歴史的建造物)保全活用推進員養成講座の共催など、歴史的建造物の保全・活用に関して継続して取り組んできました。推進員(講座修了生)も100名となり、その活動も活発になりつつあります。そこで、歴史的建造物の保全活用に関する議論を深め、推進員、講座受講生や県民の皆さんが集い、互いに学び合う初めての会を開催します。
当日プログラム(敬称略)
【第一部】
基調講演「歴史を活かしたまちづくり」13:05~14:05 米山淳一(地域遺産プロデューサー/ヨコハマヘリテイジ常務理事・事務局長)
【第二部】
ヘリマネ講座修了生による活動発表 14:15~15:55
発表者:(1)関 秀行(神奈川県建築士会スクランブル調査隊)・・・・横須賀市浦賀調査
発表者:(2)田代茂夫(神奈川県建築士会スクランブル調査隊)・・・・秦野市蓑毛調査
発表者:(3)森山恒夫(神奈川県建築士会スクランブル調査隊)・・・・スクランブル調査隊活動史~鎌倉市S邸から文化財ドクター派遣まで
発表者:(4)竹田恭子・・・・ヘリマネ1期生川崎チームの活動
【第三部】
パネルディスカッション 16:05~16:55
コーディネーター:村島正章(神奈川県建築士会技術支援委員長)
パネラー:(1)関 秀行
パネラー:(2)田代茂夫
パネラー:(3)森山恒夫
パネラー:(4)竹田恭子
コメンテイター:
パネラー:米山淳一
パネラー:西 和夫(神奈川大学名誉教授/邸園(歴史的建造物)保全活用推進員養成講座 校長)
定 員:150名
CPD:4単位
申込み・問合せ先(社)神奈川県建築士会
主 催:(社)神奈川県建築士会
※この大会は、(財)建築技術教育普及センターからの助成金を得て開催しています。
当日は、約80名のヘリテイジマネージャーらが集まりました。シルク貿易で栄えた横浜ならではのシルクネットワークを横浜ヘリテイジで設立する予定であること。これを介して長野、群馬他関係各地との連携まちづくりでヘリテイジマネージャー活躍の舞台があるのではと提案し講演の結びとしました。
「僕たち急行 A列車で行こう」のPR電車の出発式
「僕達急行 A列車で行こう」のPR電車の出発式が3月3日土曜日に京急久里浜工場で行われ、「僕急 鉄道アドバイザー」として参加いたしましたので紹介いたします。
映画の中に登場する京急2100形をPR電車としてラッピングがなされました。正面には、松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、村川絵梨さんらのサインが入ったヘッドマークが取り付けられています。車両側面にはポスターと同じ絵柄や文字が張られています。
車内はさまざまの吊り下げポスターと映画のシーンのプリントが掲出され賑やかで「僕急」一色となっています。
PR電車は2133の編成で、ドレミファ音も軽やかに快速特急を中心に3月4日(日)から運行が始まっています。沿線やホームではカメラに納める愛好家の皆様の姿が多く見られました。
「僕たち急行 A列車で行こう」の公式パンフレットの制作、原稿執筆に参加
「僕たち急行 A列車で行こう」の全国公開を前に試写会や広くPRが行われていますが、その際配布する公式のパンフレットの制作・原稿執筆に参加いたしました。森田監督からのメッセージのほか俳優紹介など映画の魅力満載の内容です。
「僕達急行 A列車で行こう」をより楽しく鑑賞するためにと題して登場する特徴的な車両や列車等の写真と文、「劇中の電車達」の解説を担当いたしましたので、その一部を紹介いたします。
「僕たち急行 A列車で行こう」のプレミアム試写会付きロケ地ツアーに同行
「僕たち急行 A列車で行こう」の3月24日の全国公開を控え、役者の舞台挨拶もあるプレミアム試写会付きの九州ロケ地ツアーが2月19日(日)~20日(月)1泊2日で行われました。映画製作・宣伝プロデューサーらとともに鉄道アドバイザーとして同行いたしました。
品川駅前のプリンスシアターでの上映後、品川駅からJTBが集客した約50名とN700系のぞみ37号の貸切の15号車と16号車に乗車。主役の松山ケンイチ、瑛太両氏も一緒に乗り込みました。取材、PRなど目まぐるしく時間が過ぎました。博多でも特別試写会の舞台挨拶が2か所もあり役者も楽な商売じゃないナァーと実感。
特にJR東海、JR西日本の広報担当者のご尽力に感謝いたします。
新刊発売のご案内「歴史鉄道 酔余の町並み」ー鉄道、町並み、ときどきお酒ー
笑顔になれる大人旅「全国43地区45か所の歴史的町並みを紹介」
写真と文 米山淳一
<内容>歴史的な鉄道に乗って駅から歩ける歴史的町並みを訪ねた後、地物の肴で一杯というのが本誌の軸になっています。素晴らしい町並みはもちろん、まちづくりの達人や 旧国鉄、私鉄の懐かしい名車も登場。明るく、楽しい旅満載で笑顔になれること請け合いです。よろしくお願いいたします。
<体裁>A5版 236ページ オールカラー
<発行>2012年2月24日 駒草出版
<定価>2,400円
講演会・シンポジューム「糸で紡ぐ地域の再生」ー蚕糸試験場日野桑園第1蚕室の評価と再生の可能性を考えるー
日 時 2月12日(日)午後2時~5時30分(見学会午前11時~)
場 所 日野市中央福祉センター 2F集会室
1.基調講演
「養蚕・蚕糸・製糸と地域連携の可能性」地域遺産プロデューサー 米山淳一(一般社団法人横浜歴史資産調査会常務理事・事務局長)
2.各団体の取組
3.パネルディスカッション
パネラー
米山淳一(地域遺産プロデューサー)
柳元太郎(日野教育センター、元仲田小学校校長)
山川一弘(元蚕糸試験場日野桑園研究員)
永瀬克己(法政大学デザイン工学部建築学科教授)
荻原弘次(日野市役所企画部)
コーディネーター
陣内秀信 法政大学デザイン工学部建築学科教授(法政大学エコ地域研究所長 専門はイタリア建築史・都市史)
日野市に残る「旧農林省蚕糸試験場日野桑園」内に残された歴史的蚕室の保存再生を目指して講演会・シンポジウムが開催されます。(パンフ参照)
問い合わせ「糸で紡ぐ地域の再生フォーラム事務局」
歴史的建造物であるJR日野駅舎を初めて見てから陣内秀信さんや世話役の上村耕平さんらと会場に向かいました。旧甲州街道日野宿を歩きましたが、本陣をはじめ当時の歴史的町屋が数件確認できました。日野市や市民のみなさんが日野宿を大切にしている様子が解説版の設置や古写真の展示、道標の整備などから見て取れて喜ばしくなりました。会場の入り口で知人、今田 保さんに偶然お会いしました。近所に住む彼は、国鉄・JRの列車編成表の出版社をかつて経営しておられました。講演を知って駆け付けつくれました。
さて、講演会、シンポジウムに先立って11時過ぎから「日野桑園蚕室」等の見学会が行われました。日野市は豊富な水資源に恵まれ、街中をいくつもの用水路が貫き潤いのある景観が展開します。かつては田畑が広がり美しい農村景観が息づいていたのです。その一角に「日野桑園」は開設されました。ケヤキやコナラなどの雑木林に囲まれて現在、蚕糸試験場1棟が残っていました。日野市による公園整備計画の真っただ中にあるこの歴史的建造物は保存か取り壊しか?市民やこの地を研究のフィールドとしている法政大学エコ地域デザイン研究所をはじめ多くの方々の重大関心事になっていることがわかりました。
午後の講演会・シンポジウムでは保存・活用に関してさまざまな意見が出ました。会場のは約70名の市民や関係のみなさんが集い、熱い議論がなされました。現在、土地・建物は関東財務局が所有しており、ご参加の日野市のご担当者からは市が所有後に保存の方向する方向を示してくれました。ただ、どのように保存し活用するかはこれからの課題。一つの提案として講演の中で長野、群馬、八王子、横浜を結ぶシルクロードの中に「日野桑園蚕糸試験場」を組み込み将来に向けて世界文化遺産に登録する方向性を示しました。なにしろ蚕糸試験場は今となっては日野市に唯一残るのみだからなのです。
いづれにしても今後、日野市や市民活動、法政大と連携を深めてゆきたいと思います。
講演会「稲荷山地区 伝統的町並み講演会」
日 時 2月11日(土)午後1時30分~4時
場 所 千曲市稲荷山公民館
主 催 千曲市、千曲市教育委員会
講演内容 1.全国の伝統的建造物群保存地区の現状 地域遺産プロデューサー 米山淳一
講演内容 2.稲荷山地区における伝統的建造物群 信州大学建築学教授 土本俊和
講演内容 3.伝統的建造物群保存制度について 工学院大学建築学部教授 後藤 治
現在、旧善光寺西街道の宿場町や上信地区の商業中心地として繁栄した「稲荷山宿」(長野県千曲市)の伝統的建造物群保存対策調査を2011~12年に2年間で委員として推進しています。
土蔵造りの町屋が軒を連ねる町並みは規模も大きく美しい町並み景観を形成しています。近い将来の「国・重要伝統的建造物群保存地区」をめざす一貫として広く講演会が開催されます。(パンフ参照)
当日は快晴、雪化粧の姨捨棚田を望みながら「しなの鉄道」に乗って屋代駅まで参りました。会場に着くとご来場の皆様でにぎわっておりました。開始5分前には会場は満員となり、おかげさまで参加者は120名を超え盛会となりました。
米山は「歴史を活かしたまちづくり」や重伝建地区で稲荷山に似ている八女、吉井、真壁等の事例を詳しくお話しいたしました。土本先生は、歴史的建造物の調査報告を中心に稲荷山の土蔵造りの素晴らしさを紹介、さらに後藤先生は重伝建制度の有効性や仕組みわかりやすく説明されました。
会場のみなさまからも重伝建地区になった時のメリットに関して質問がありました。
地域活性化の切り札として重伝建地区選定への道を着実に歩み始めたと実感いたしました。なお、2012年度も保存対策調査は継続されます。
みさなまもぜひ、稲荷山宿を訪ねてください。
森田芳光さん監督の映画「僕たち急行 A列車で行こう」を鉄道アドバイザーとしてお手伝いいたしました。公開は3月24日です。
松山ケンイチ、瑛太が鉄道愛好家として登場。鉄道趣味を通じて絆を深め、力を合わせて仕事を成功させる筋書きです。明るく楽しく人生を生き抜く勇気を与えてくれるコメディータッチの作品です。京急をはじめロケ地九州の列車ほか色とりどりの車両がたくさん登場いたします。趣味が人と人を結ぶ心暖まるストリーが心地良い作品です。ぜひ、ご覧ください。
ネコパブリッシングから発行されている「国鉄時代」28号に懐かしの181系「とき」の雄姿を巻頭カラーグラフで16ページとモノクロ解説1ページの合計17ページで掲載させていただきました。
30年以上前の1974(昭和49)年~1981(昭和56)年ころにかけて撮影したものです。デジカメではなくフィルムカメラにコダックカラーフィルムを使用して撮影しました。使用機材はアサヒペンタックスS2・SPF、ローライ35S、マミヤプレススーパー23、ハッセルブラッド500CM・500ELM、キヤノンF-1です。
雪の中の撮影はたいへんでしたが今となっては良い思い出です。