11.国際会議等 海外関係団体の会議への出席


2010年2月 英国鉄道遺産保存協会 イギリス ヨーク
・英国の鉄道遺産を保存活用する

 Heritage Railway Association(英国鉄道遺産保存協会)の2010年の総会が2月6日(土)ヨークの国立鉄道博物館で行われた。この席上で「日本国の鉄道遺産を活かしたまちづくり」と題して講演を行った。
 当日は英国、スコットランド、アイルランドの保存鉄道や鉄道遺産を保存するグループ等150名の参加があった。
 オーストラリアのブリスベンでの世界鉄道遺産会議(2009年10月)をはじめ3年目のお付き合いとなるHRAの役員のピーターオーベストン氏の肝いりで講演の運びとなった。鉄道愛好家ばかりか広く一般に近代化遺産として鉄道遺産が大切にされ、まちづくりに活用されている事例を100枚を超える写真を元にお話しいたしました。
 前職の日本ナショナルトラスト時代の英国研修ツアーで20年来お世話になっている英国政府文化部所属の相澤和江さんの通訳のおかげで、無事講演を終えることができました。
 また、7日日曜日は保存鉄道を訪ねた。「Wensley Dale railway」である。風光明媚な渓谷沿いを走る非電化区間でディーゼル機関車けん引の1960年代に英国国鉄で活躍した客車列車が動態保存されている。
 保存団体会長のルース・アニソン女史がご主人とともに廃線となっていたこの鉄道を再生させた。単なる保存鉄道にとどまらず、通勤路線として幹線との接続を目指して線路を延伸させている。近年は黒字経営に転じつつあり、専業のマネジャ−を雇うまでになった。沿線の魅力づくりとしてコテージや牧場のトレイルなど観光にも力を入れている。
 保存車両は愛好家のグループが所有している点が面白い。羊がのんびり草を食む丘陵や渓谷沿いに走り、車窓には英国らしい風景が展開する。


ヨーク鉄道博物館で修複中の
フライングスコッツマン

フライングスコッツマンは
募金で修復とアシュビーさん

講演する米山
 

HRA会長デイビッド・
モーガン氏らとディナー

新幹線0系は大人気
 

ウェンズリー鉄道の様子
 

保存に敏腕を振るうルース女史と
 

日立製395系高速電車とユロースター
 

ユーロスターも発着する
再生されたセントパンクラス駅

鉄道現場の再現展示が見事な
GWRの博物館「ザ・スティ−ム」

2009年10月 鉄道遺産国際会議 オーストラリア ブリスベン
 鉄道遺産のヨーロッパにおける会議(欧州鉄道遺産会議)から約半年、鉄道遺産の国際会議がオーストラリアのブリスベンの郊外の町「イプスイッチ」で10月13日〜16日まで開催されました。世界各国から約100名が参加。日本国からは鉄道保存協会の事務局、菅 建彦、小田恭一、米山淳一の3名が参加。交流を深めた。2015年には日本国で開催との話もでたが、本家の英国鉄道保存協会の意見のもと調整を図ることになった。
 会場のイプスイッチの鉄道博物館は車両工場を再生したもの。一部は現在も稼働中である。臨場感あふれる会場では、鉄道遺産の保存、活用について連日、事例報告や討論が続いた。歴史的車両の復元、保存鉄道を観光鉄道として位置づけ地域振興に活用。他の地域の観光資源との連携など活々と社会生活に息づく様子を学んだ。

会議に先立って訪れた
「トラムウエイ博物館」での記念撮影

1920年代に製造されたレトロなトラムの室内
明かりとりのガラスの意匠は秀逸

歓迎パーティーは
車両展示の博物館で

会場は一部現役の車両工場
美しいレンガ造だ

英国、オーストラリアなどの
スピーカーが登壇

会場となった工場製の
ブルーベイビーの製造プレート

ブルーベイビー
 

博物館に保管している
英国製のガラット式SL

保存鉄道も元気だ
石炭の町イプスイッチをめぐる観光鉄道

ディナーは保存鉄道のプラットホーム
 

親しくなった豆鉄ちゃん
 

クイーンズガーデンは
ジャカランタの花が満開

圧巻の歴史的街区
郵便局の塔はランドマーク

ヘリテイジトレイルの目玉、教会建築
 

産業遺産を活かした
リバーサイドウオークは一押し

2009年4月 欧州鉄道遺産会議 ルクセンブルグ・ペタンジュ、他
 昨年の10月に碓氷鉄道文化むら等で開催した日本鉄道保存協会の総会にお招きしたデイビッド・モーガン氏(Heritage Railway Assosiation/英国鉄道保存協会会長)が主宰する欧州各国の鉄道遺産保存にかかわる保存鉄道・博物館等の連絡協議会である「EUROPEAN FEDERATION OF MUSEUM and TORISUT RAILWAY」(FEDECRAIL)の総会・見学会に参加した。2009年の開催国はルクセンブルクで、会場は鉱山の町ペタンジュ。
 英国、フランス、オランダ、ドイツ、オーストリア、スエーデン、ノルウエー、ベルギー、ルクセンブルク、エストニア他から約140人の参加があった。日本からは菅 建彦(交通文化振興財団理事長)、小田恭一(FEDECRAIL 会員)、米山淳一(日本鉄道保存協会顧問)の3人が参加し交流を深めた。
 4月23日〜24日の会合では、各国から保存技術、保存システム、観光資源としての活用、保存と環境共生等のプレゼンテーションが行われた。また、地域振興の視点から鉄道遺産の保存・活用を介してヨーロッパ連合との連携が強調された。
 4月25日は見学会に参加。鉱山の町に繋がる産業鉄道のSL列車に乗車。鉄鉱石採掘の場である産業遺産を訪ねた。産業鉄道の終点駅・構内はそっくり保存された歴史的エリア。ヤードには関連車両のストックが軒並みであり、工場内には修復中の車両を数両確認。すべて保存会の運営。
 鉱山はすでに操業は終えているが、現役当時のままの坑道を機関車に牽かれて訪ねる。機関車をSL、EL、DLと適材適所で付け替えるところが面白い。周辺の鉱山町の集落もそのまま住宅として使用されている。鉱山の町がセットで保全され観光資源として再生されているのである。
 夕食は車両工場の中。油や塗料の匂いに囲まれ話がはずんだ。
 4月26日は特別列車に乗車。もちろんSL。ドイツ型の42とよばれる大型。行きは逆向きでスイス風のオープンデッキの客車を5両牽引して快走。しかも、本線を走行。なんとルクセンブルク駅にも横づけ。大井川鉄道のSL列車が東京駅に横づけと言った具合?だから驚く。町をぬけ、美しい農村地域や峠越えと変化に富んだ沿線風景を堪能した。折り返し駅でSLを付け替え、正規の向きに。途中、歴史的集落を散策するトリップ停車を行うなど、きめ細かな旅程をこなし、帰路についた。最新車両が行き交う本線をエギゾーストも力強く走破した醍醐味は感動ものでした。

帰りがけに英国保存鉄道ブルーベル鉄道を訪問。昨年のオーストリア大会で知り合ったスタッフと再会した。

デイビッド・モーガンと再会
 

ウエルカムパーティーは
トラム博物館の車庫

環境に優しいSLのオイル炊きを推奨する
オーストリア・チラタール鉄道の技術者

鉱山町に向かう産業鉄道での撮影会
 

木造客車からの車窓風景
 

産業鉄道の終点駅
駅舎、構内も当時のまま現役保存

保存会所有のSL。ドイツ製の
タンクエンジンに新製のテンダーを装備

いよいよ鉱山鉄道に乗り換え
762ミリのナロー。コッペルが可愛らしい

鉱山住宅は今も健在
 

坑道の中は凸形電気機関車が牽引
坑内の見学が始まった

本線を快走する特別列車
 

オープンデッキは爽快
 

折り返し駅を俯瞰。模型のようだ
 
 

最新型の電気機関車と並ぶ
 
 

ブルーベル鉄道訪問
新橋ー横浜間を走った1号機関車と
同じ時期のSLが健在で仰天

参加団体のパンフレット
 
 

2008年4月 欧州鉄道遺産会議 オーストリア・ザルツブルグ、他
 出席

2002年9月 ナショナルトラスト国際会議 スコットランド・エジンバラ
 ワークショップでの意見交換 ロータリーファンドの活用と課題
英国ナショナルトラストが保護・管理・公開している歴史遺産

チャートウェル
(チャーチル首相邸)

集落ごと保存
「レイコックビレッジ」

「ピーターラビット」著者
ペアートリックスポッター邸
ニュージーランドのヒストリック・プレイシーズトラストが保存・管理・公開しているテゥリーティハウス
英国シビックトラスト賞を受けたエイボン川の堰

2000年9月 鉄道遺産の保存に関する国際会議 イギリス・ヨーク
 プレゼンテーション「市民参加による歴史的鉄道車両の動態保存・トラストトレイン計画」について
1999年9月 アメリカグレンウッドセンター地域振興に関する交流会議 ニューヨーク・コールドスプリング
 プレゼンテーション「歴史的環境を活かした観光と地域活性化」
1999年3月 ナショナルトラスト国際会議 オーストラリア・アリススプリングス
 プレゼンテーション「日本ナショナルトラストの近況」
1998年11月 アジア西太平洋都市計画会議 台湾台北
 プレゼンテーション「歴史を活かしたまちづくり」
1998年10月 アメリカナショナルトラスト年次総会 シカゴ
 ゲストとしてスピーチを行う
1995年6月 ナショナルトラスト国際会議 オランダ・アーレム
 プレゼンテーション「歴史的遺産を活かした町づくり・白川郷・古川町」
1993年9月 ナショナルトラスト国際会議 ニュージーランド・ワイタンギ
 プレゼンテーション「(財)日本ナショナルトラストの活動について」
1992年5月 歴史文化保全会議 韓国・ソウル、済州市
 プレゼンテーション「歴史的建造物の保存活用と(財)日本ナショナルトラストの活動」